【活動報告】アンチ・ドーピング研修会開催
2025.10.03
2025年9月29日(月)
当連盟所属の各カテゴリー日本代表候補選手(サッカー、フットサル、女子)とスタッフを対象にアンチ・ドーピングに関する研修会をオンラインにて開催しました。
講師に、日本パラスポーツ協会所属、日本アンチドーピング機構(JADA)
承認エデュケーターの齊藤直人さんをお呼びしました。
参加選手には事前に宿題が出されました。「皆さんにとってスポーツの価値は何ですか?」、「ドーピングとは何ですか?」、「なぜドーピングをしてはいけないのですか?」という3つの問いです。各自事前に学習し、答え回答を記載した紙を画面に提示する参加型の研修会でした。講義の最後には、振り返りクイズも出題され、多くの選手が正解していました。
スポーツの価値、クリーンでフェアなスポーツに参加するために自身ができること、アスリートとして体内に摂り入れるものに責任を持つこと、など改めて考える機会となりました。日本代表候補選手としての自覚を持って、最後まで集中して講義に臨んでいました。
【講義内容要約】
1、スポーツの価値・クリーンスポーツのため
スポーツの中にある・スポーツを通して生まれる価値は何でしょうか。楽しさ、友情、尊敬、勇気などたくさんの“価値”があります。アンチ・ドーピングは、クリーンでフェアなスポーツ環境を作るため、さらにスポーツの価値を守り、育むためにとても重要なことです。
2、ドーピングって何?
ドーピングとは、スポーツで禁止されている物質や方法を使って、同じ条件で競い合うことを崩してしまい、相手はスポーツへのリスペクトに欠ける行為です。ルールを守って行うべきスポーツをスポーツとして成り立たなくさせる行為です。
アンチ・ドーピングは、全世界・全スポーツ共通のルールのもとで、スポーツを守り、スポーツの未来を創っていく活動です。
3、クリーンスポーツに参加するために何ができる?
アスリートには、クリーンスポーツに参加するための権利と果たすべき責務があります。
権利=クリーンスポーツに参加するため、また自分を守るための権利
責務=クリーンスポーツを実現するために自分も守らなければならない約束事
クリーンでフェアなスポーツに参加する権利の例として
- アンチ・ドーピングの教育を受ける権利
- ドーピングから自分を守る権利(他人からドーピングを強いられない権利)
- 健康でスポーツに参加する権利(必要な医療を受ける権利)
- 公平・公正な検査を受ける権利
アスリートには7つの役割と責務があります。これらの責務を果たさないと、ドーピング規則違反に問われる可能性があります。
- ルールを理解し守る
- いつでもどこでも検査に対応
- 体内に摂り入れるものに責任を持つ
- アスリートとしての自分の立場と責務を伝える(病院や薬局など)
- 過去の違反を正直に伝える
- ドーピング検査に協力する
- サポートスタッフの身分を開示
4、ドーピングのルールに違反したら?
ドーピングは、選手自身の心身の健康を損なう可能性があります。また、大会での成績が剥奪され、競技に参加できなくなります。チームメイトや家族、応援してくれる人たちの信頼を裏切ることになります。スポーツの社会的価値を損なうことにまで発展します。その影響は個人にとどまらず、スポーツ界や社会にまで及ぶのです。
5、体内に摂り入れるものに責任を持とう
体に摂り入れるものは飲み薬だけではありません。注射や点滴、目薬、塗り薬、貼り薬も禁止されていないか事前に確認する必要があります。また、漢方薬は天然の成分が含まれており、禁止物質が含まれている可能性もあるので要注意です。
健康のために飲んでいる、サプリメントやプロテイン、栄養ドリンクなどは食品であり医薬品ではないので、ラベルには主要原材料しか記載されていません。ラベルに記載のない禁止物質が入っている可能性もあります。製造過程で、他製品の混入があることもあります。サプリメントなどの使用で違反になるケースは世界中で起こっています。食事による栄養摂取を心がけ、不必要にこれらを摂取することはやめましょう。
また、中身が安全かわからないもの(一度目を離したもの、ふたが開いているものなど)も安易に口にするのはやめましょう。
6、禁止物質や方法を調べてみよう
スポーツで禁止されている物質、方法は「禁止表国際基準」の最新版(毎年1月1日に改訂)で確認することができます。また、「Global DRO https://www.globaldro.com」で検索することもできます。医師や薬剤師と一緒に自分が使用する薬について調べてみましょう。検索結果は保存できるため、コーチや保護者と共有し、後で確認することもできます。
7、ケガや病気になったらどうする?
アスリートには、健康な状態でスポーツに参加する権利がありますので、必要な治療は受けられます。しかし、どんな薬でも良いわけではありません。治療を受ける前に、自分は「アスリート」であること、スポーツのルールで禁止されている物質・方法があることを医師や薬剤師に伝えましょう。伝える際に、Global DROなどのサイトをブックマークして提示できると良いでしょう。
どうしても禁止されている物質・方法での治療を選ばなくてはならない時は、TUEという特例の許可を申請することができますので、早めに相談してみましょう。
当連盟HP、メディカルのページに、JADAクリーンスポーツアスリートサイトへのリンクを貼っています。
よろしければ是非、選手やサポートスタッフの皆さんもご覧になってみてください。
▼JADAクリーンスポーツアスリートサイト