2023年4月29日(土)〜5月2日(火)
栃木県さくら市にて
2023年第2回知的障がい者サッカー日本代表強化合宿が行われました。
今合宿は新型コロナウイルス感染拡大防止ガイドラインに基づき
参加する全ての選手・スタッフに抗原検査を集合時と解散時に実施するなど
感染防止対策を行い実施いたしました。
【スケジュール】
DAY1:抗原検査、フィジカルチエックトレーニング
DAY2:トレーニング、トレーニングマッチ(vs 栃木SC)
DAY3:トレーニング
DAY3:トレーニングマッチ(vs宇都宮短期大学附属高校)、抗原検査
【トレーニングマッチレポート】
【活動報告書】
【監督総括】
「八咫烏のエンブレム」。JFA日本代表チームと同じウェアに、選手が袖を通すことができました。これまで、知的障がい者サッカーに関わってこられた選手、指導者、全ての方々、これまで情熱をもって走り続けてきた皆様の思いが叶った瞬間でした。そういった意味で、2023年4月29日(金)の合宿初日は、決して忘れることのできない一日となりました。これまでの20数年間、このサッカーの普及と発展にご尽力くださった全ての方々に心から敬意を表し感謝を申し上げます。
さて、次の世界選手権に挑む2023日本代表チームの強化は、短期的には年末のヨーロッパ遠征が目指すところです。世界基準を経験し、日常の基準を上げるために、年に一度、海外チームとの強化マッチができることは大変有り難く、世界選手権に向けた年次の強化として重要なものです。
今合宿は、3月合宿から間もないこともあり、3月合宿のトレーニングの積み上げとチーム戦術の共有を図りました。初日のフィジカルテストでは、特にyo-yoにおいて最高記録を打ち出した選手が多くいました。また、40m走、クランク走では年代別代表選手の記録を平均タイム・最速タイムを共に上回るなど、知的選手の特長を捉える結果となりました。
全員攻撃、全員守備をチームコンセプトとする代表チームは、相手の状況に応じてプレーの選択ができるようにトレーニングを行っています。サッカーは、認知(観ておく、観る)→判断→実行(テクニック)が繰り返し行われ、テクニックの質はとても重要で代表候補選手にはその質を常に求めています。そういうなかでも、前回合宿からわずか1か月という短期間において、招集選手個々のプレーの質に差が生じていたのは課題です。
また、今合宿はトレーニングマッチを2回行いました。栃木ユースとの対戦は、失点が多いゲームとなりました。攻撃時において、ボール保持者が相手状況と味方のサポート状況を踏まえた判断によるプレーの選択、攻撃→守備の切替え時のプレスと遅らせることの準備・判断・実行がシームレスにできていた時間帯は良かったのですが、それができない時間帯、セットプレー、不用意なミスにより失点を重ねました。
最終日に行った宇都宮短期大学附属高校との対戦では、栃木SCユースとのゲームでの課題改善と、合宿中トレーニングを重ねたチームの守備コンセプトである前線の守備から中盤の守備への移行と、良い守備から攻撃への切替え、そしてサイドエリアの攻略とシュートポイントのイメージの共有が図ったことにより、45分、30分の1.2セットは、意図的に試合を進められたことは良かったと思います。
選手の日常(TR回数・質、GAME回数・質)は地域によって様々かと思いますが、これまでと比較すると全国的にはその日常は良くなってきていると感じています。良くなっている地域は、指導者がいて、その指導者が情熱を持ち選手と常に関わり続けていることがその基盤にあるようです。選手の可能性を引き出すこと、そして選手が自分自身を超えていく機会(チャンス)を逃さない(逃させない)ことは、このサッカーの更なる発展に繋がるものと思っています。
最後になりますが、合宿地であるさくら市の花塚市長様より選手への激励と特産品の贈呈、栃木県サッカー協会及びJFFID技術委員など多くの方の応援とサポートをいただきました。そして、選手を送り出してくださいました各地域の技術委員及び指導者等、関わる全ての皆様に心から御礼を申し上げます。日本全体のレベルは間違いなく向上しており、地域の皆様の日頃のご尽力の賜物です。JFA・JIFFと共に歩みだす新しい日本代表チームが更に上を目指し、全国のサッカー選手の夢や希望となりますように、引き続き代表活動にご理解とご協力をお願いいたします。
ありがとうございました。
スタッフ
監 督 : 西 眞一
コーチ : 泉谷 光紀
コーチ : 竹中 康雄
GKコーチ: 岡田 裕樹
トレーナー: 澤野 啓祐
コーチ/マネージャー : 古薗 功詞郎
選 手
GK
荻野 泰幸 千葉県
徳村 雄登 京都府
FP
草田 佑介 広島県
吉川 圭祐 東京都
大野 航 兵庫県
清水 大輔 埼玉県
高木 翔 栃木県
小林 晴人 東京都
海野 真我 静岡県
横井 知明 東京都
佐藤 快 千葉県
福原 碧人 鹿児島県
石綿 洵哉 東京都
武田 稜久 大阪府
阿久津 海斗 栃木県
下鶴 掛夢 鹿児島県
越智 羽久澄 愛媛県
斎藤 光汰 神奈川県
奥田 浩輔 福岡県
犬塚 陸 愛知県
山田 憂多 神奈川県
梅村 俊佑 神奈川県
なお、今回の強化合宿は日本スポーツ振興センター「競技力向上事業」の補助金を利用して開催されました。